自己破産で養育費や慰謝料の支払いも免除される?

木槌と六法全書

 

自己破産の申立をして免責が確定すると、借金の支払い義務が免除されます。

 

これまで抱えていた債務を支払う必要がなくなりますが、破産申立人に養育費や慰謝料がある場合、これらの債務も免責されるのでしょうか。

 

ここでは、以下のトピックについて解説します。

  • 自己破産すると養育費も免責される?
  • 慰謝料が免責される可能性は?

自己破産すると養育費も免責される?

結論から言うと、養育費は非免責債権になるので、自己破産しても免責の対象から外されます。

 

非免責債権とは、裁判所から免責の決定が許可されても、免責の適用外となる債務のことです。

 

破産法253条では、「親族間の扶養義務に基づく義務」や「子の監護に関する義務」は、免責されない請求権として規定されています。

 

破産法253条で定められている非免責債権
  • 夫婦間の協力及び扶助の義務
  • 婚姻から生ずる費用の分担の義務
  • 子の監護に関する義務
  • 扶養の義務

破産法253条より

 

「子の監護に関する義務」というのが、養育費に当たる部分です。

 

養育費が非免責債権として定められているのは、免責の対象にしてしまうと子供の養育される権利が脅かされてしまうからです。

 

養育費が支払われなくなることで、子供の成長や日常生活が阻害されてしまう恐れがあるわけです。ですから、免責が決定されたとしても、養育費の支払いは続けなければなりません。

慰謝料が免責される可能性は?

破産法253条では、破産者が「悪意」で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権を非免責債権として定めています。

 

この「悪意」というのは、積極的に損害を与える意思や意図を持っている、という意味です。

 

つまり、悪意による不法行為に基づく慰謝料は免責されませんが、悪意がない不法行為と判断されれば免責の対象になります。

 

例えば、浮気による離婚で負うことになった慰謝料の場合、免責される可能性が高くなります。

 

というのも、不貞行為は妻(夫)に対して積極的な害意がない場合が多いからです。配偶者に対して、積極的に傷つける意図を持って不倫をする人は多くないですよね。

 

一方、暴力やDVによる慰謝料は免責されません。なぜなら、悪意によって加えられた不法行為だからです。

 

このように、慰謝料は画一的に非免責債権になるわけではありません。裁判所によってケースバイケースで判断されます。

養育費や慰謝料が支払えない場合は?

自己破産を考えている場合、多額の借金を抱えていて養育費や慰謝料の支払いが滞ってしまっている方も多いと思います。

 

仮に、自己破産して免責が決定したとしても、養育費や慰謝料を支払うのが難しいケースもあるかもしれません。

 

このような場合、裁判所に「養育費減額調停」を申し立てる選択肢もあります。もし、1人で悩んでいるなら、裁判所や弁護士に相談してみてはどうでしょうか?

 

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